チャリダーどこへゆく

ホビーレースもたまに。 埼玉県在住。手掌多汗症に生まれ、18、19歳の時にETS手術を受けた。たまに多汗症ネタも記事にする雑記ブログです。 お暇なときにお付き合いいただけたらと思います。

ETS手術をしてから10年が経ちました。手掌多汗症治療について

ETS手術をしてから10年が経つので自己の振り返りと自分の経験が誰かの助けになればと思い記事を書きます。

 

誰しもがコンプレックスを持っていると思います。私は手掌多汗症と呼ばれるものでした。ついでに腋臭でもありますが(泣)

 

 

気付き

自分が他人と違うと感じたのは幼稚園の年長の時でしょうか。剣道を始めたときに素足になるのが嫌だったのと竹刀の持ち手がすぐに真っ黒になったのを覚えています。親にはそれが嫌でとは言えずに行きたくないの一点張りでやめましたね。

小学生の頃は、いつもハンカチが手放せなかったくらいで友達付き合いは普通でした。少年野球をやっていて自分の身体のことを知っていてもあからさまに嫌がられなかったから元気に過ごせていました。中学生になり思春期真っただ中になると他人を避けるようになっていましたね。家のごたごたもあったけれど、嫌われたくないっていう気持ちがでてきて他者との関りをできるだけ避けていました。一番嫌だったのは体育の授業ですね。準備体操の柔軟運動とか最悪ですよ。手握るの嫌だからと手首つかまれたりしてました。よく泣かなかったなと今になって思う。普通じゃないと感じていたからかな。

高校生になると吹っ切れて初めに俺はこういう身体だから嫌だったら関わらないでと言うくらいでした。それでも何人かは友達でいてくれた。それだけで救いだったな。携帯持ち始めてインターネット使うようになってから自分の身体のことを調べてみると同じく汗で悩んでいる人がいることを知ってなんか安心した。完全には治らないけれど治療法もあるようで良かったと心底思った。親にこの身体嫌だから治療するって宣言して行動し始めた。

 

経験した治療法

精神安定剤

親に宣言してから一番初めに行ったのは近所の皮膚科。2軒しかいってないけど田舎じゃだめだと悟ったから。多汗症だと思うんですけど、なにか治療法ってありますか?って診察をしてもらったけれど、精神不安から汗がでるから安定剤出しときますってだけでした。正直これは効果なし。緊張する場面はもちろんだけど暑い日は普通に汗止まらないから意味ないと感じた。それに眠いし。3か月くらい試したけれどあきらめた。

 

塩化アルミニウム

次に塩化アルミニウムを試してみた。これは夜に手のひらに塗って手袋を装着して寝る。朝起きると塩化アルミニウムが汗腺を塞ぎ汗がでないってやつ。1回目は感動したけれど、やはり完全に止めることは出来ない。それに出るところと出ないところがまばらになったり、汗を無理やり出ないようにしているから汗が出ようとして痛痒かったりする。午前中はいいけれどお昼過ぎからは効果なしでしたね。これはビン1本分使って終了。リピートなし。

 

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イオントフォレーシス療法

これは水に浸したところに手を置き電気で水素イオンを発生させて汗腺を塞ぐもの(間違ってたらごめんなさい)1回15分~20分くらいビリビリさせるとあら不思議汗が出なくなります。夜使って次の日の昼くらいまででしょうか。確実に汗が止まるが場所がまばら。痛痒いし時間がかかるからなんか嫌だった。でも機械買ったら電池代だけで済んだから高1~3年まではずっとやってたな。

私が買ったのは海外製のやつを改造して日本の電池で使えるようにしたやつ。病院でやれば違う結果があったのかもしれないが、近所に設備のある病院がないし通うほどの予算がないので諦めました。

 

ボトックス注射

ボトックス注射もやりました。これでダメだったらETS手術をやることを決意して。結果は全然効果なし。というよりも体がボトックスを受け付けなかった。帰りの電車でふらついてダウンしたのは良くない思い出。お金無駄にしたなぁと枕を濡らしたのは言うまでもありません。痛かったし。

 

ETS手術

最終手段のETS手術。親には18歳になるまで待てと言われたけれど、話を聞くだけだからと医者に行った。たくさん検索して見つけたのは渋谷にあるクリニック。ETS手術だけをやっている医師がいて経験があることと保険適応だったのでこのクリニックに決めた。集団での手術説明を聞き、その後診察。それから手術への日程決めという流れ。集団での説明は、手術の流れとデメリットの説明があり、過去に代償性発汗で訴えられたこともあるそうな。この集団説明会はきちんとリスクを話しましたよという医師自身を守るためのもの。私は納得したしそれでもいいと思ったから手術を受けた。

まだ未成年で保護者の同意もなかったから診察では話を聞くだけ。先生曰くグレード3で最上位クラスだった。全然うれしくないけど。

このクリニックでは、代償性発汗が可能な限り少なくなるように片側ずつの手術を行う。両側できるのは最短でも1年後。ひと夏を過ごさないとできないという条件がある。私は、夏前にやって夏を過ごして次の春にやったので、代償性発汗は結構ある。

この手術を考えている人は、必ず代償性発汗があることを覚悟すること。自分は違うという考えが浮かぶかもしれないが、違くないから多汗症なんだよ。

 

経過

全身麻酔がはじめてで目覚めたときから一晩経つまではしんどかった。翌朝は汗が出ないということに感動した。3日くらい経つとリバウンド発汗が起きて以前と変わらないくらい汗が出た。このまま戻らなかったらという恐怖心に襲われる。

術後1週間くらい経つとリバウンド発汗が落ち着き汗の出る量が少なくなってきた。全くでないということにはならなかったが、じんわり発汗があるくらいで文字を書く時も素手で行ける。こうやって汗が出なくなると欲が出るものですね。すぐにでももう片方をやりたくなった。脇汗も少なくなって嬉しい限りでした。

右側をはじめにやってそのあとで左側をやりました。右側はたしかL3、4の組み合わせ。左側はL2、4の組み合わせで切ったと先生は言っていた。だからなのか右手、右脇はじんわり汗をかくが左側は全く汗をかかない。

 

1年後

両側終わりこのくらいの時期は、あまり代償性発汗を感じなかったですね。お腹周りと背中にじんわり汗をかく感じでタオル一枚あれば済む様子。着替えを持って出ることもなかったし。

 

3年後

大学4年生になったかな。この時もそれほど嫌と感じるほどではなかったな。緊張する場面が少なかったからかな。就職活動の時は、面接後トイレで肌着を着替えるくらいに汗はかいていたかな。でも夏場の話。冬場はストレスフリーだった。

 

5年後

就職して2年目くらい。就職してから代償性発汗が辛く感じ始めた。日々緊張する出来事ばかりだし動き回るから汗だらだら。でも、1人での持ち場管理だったから気楽にやれてた方。一番嫌なのは革靴の蒸れ。足裏の汗の量は変わらないからすごく気持ち悪い。お昼休みに靴下履き替えるくらい。飲み会も嫌だったなー。座敷になること多いから靴下履き替えなきゃ臭いし、新人だから早くついてなきゃいけないしで最悪でしたよ。

 

10年後

代償性発汗については、お腹、背中、お尻、脚に出る。量としては汗が粒になって垂れるほど。夏場はぐっしょり汗染みができる。職場では、ワイシャツもお昼休みに着替えるようにした。

冬場は、汗かかないから快適なんだけど、暖房が利きすぎると汗が止まらない。だから自然とトイレ休憩多め。手のひらを冷やすのが体温を下げるのには手っ取り早いんだよね。なんの因果なのやら。緊張するとぶわっと出るからこれまた最悪です。早く緊張しなくなるように知識をつけないといけないな。

 

ツイッターみてるとリバーサル手術をした人なんかいてすごいなーと感心するけれど、自分はそこまで使用とは思わない。代償性発汗で嫌なのは嫌だけど、手のひらから汗だらだら出していたことを思うと代償性発汗を受け入れようと思う。脇汗止まってるのも大きいのだ。

私の代償性発汗がどれくらいかというと手術の説明を受けたときに見せてもらった人の写真くらい。といってもわからないだろう。文字でも伝わりづらいけれど、夏場なら外に出て5分もたたないうちに上下びちょびちょになるくらい。緊張した時だとお腹とお尻がじっとり濡れる。1日出かけるときは、着替えを持つようになりましたね。

 

服はスポーツインナーをおすすめします。速乾性に長けていて抗菌防臭性がある点がいいですね。ロードバイクに乗っているということもありますが、スポーツインナーを着て仕事をしています。不快感が少なく着心地が良いのでストレスは少なくて済みます。エアリズムだとべっちょりして気持ち悪いですから。

 

もっといいことを書きたいと思っていたけれど、書きながら悲しくなってきたのでこの辺で辞めます。多汗症系の話もたまに書いていきます。自分の経験で良ければ読んでみてください。